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レオナルド・ダ・ヴィンチと自由

 
 
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 レオナルド・ダ・ヴィンチの名作「糸車の聖母」が日本初公開だったので見てきた。私自身、美術館などには比較的によく行く方だとは思うが、「絵」についての技術や技法についてはそこまで深い知識がないのでわからない。じゃあなぜ技術や技法を知らないのに絵を見るのかというと、そういった「知識」がなくても楽しめるのが鑑賞というものだと思うからだ。例えば、レオナルドが用いる技法に「スフマート技法」というものがある。その技法によって表現されるものは「柔らかさ」や「神秘性」であって、それを理解や感じることができれば十分である。
 
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 モナリザの微笑みの柔らかさや神秘性というのも、スフマート技法によるものだ。
 
 今回、私の見に行った「レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の挑戦」という展覧会は序章を含め計4章で構成されている。
 
序章 レオナルドの肖像 天才像と神話化
第1章 自然と人間 直感と観察
第2章 「鳥の飛翔に関する手稿」 人間の限界を超えた飛翔、自然と神への挑戦
第3章 糸巻きの聖母 見えない世界を探る
第4章 レオナルドの教え ルネサンス期の工房とレオナルド・アカデミー
 
というものである。
 
 序章では肖像画や絵画・版画などにまつわるエピーソードを通じて、レオナルドの生涯を紹介していた。
 
 私なりに色々気になったことや、面白いなと思ったことについて書いていく。
 
 まず最初に目に付いたのは、絵ではなく壁に書いてあった「Beyond the visible 見えない世界を探る」という文であった。肖像画に夢中で、誰も気にしてる様子はなかったけど、この一文を最初に持ってくるのは素晴らしいと感じた。なぜかというと、レオナルドの絵には隠された意味が数多くあるとされているからだ。そして肖像画よりも、誰がこの構成にしたのかその時すごく気になった。
 
 見えない世界というのは描かれた人物達の交錯する視線や手の仕草など「心の動き」もそうであるし、レオナルド自身の考え方や絵の中に隠そうとした思いなど複数の深い意味合いが込められていると考える。つまり内面の世界、「意識」というものについてである。
 
  レオナルドが隠そうとした意味については映画「ダ・ヴィンチ・コード」と「天使と悪魔」を観てみると面白いかもしれない。フリーメーソンイルミナティなどの「秘密結社」も出てくる。しかし解釈は人それぞれだし、どれも予想の域を出ない。第3弾も2016年の10月14日に公開される予定なので、是非見てみることをお勧めします。小説は読んだことないのでわかりません。
 
 
ジャン・クロード・マニゴー作
「動物を愛護するレオナルド・ダ・ヴィンチ、鳥を買い取り空に放つ」
 
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 この絵の説明としてレオナルドは鳥を空に放ち、商人に言い値を払ったというようなことが書いてあった。このエピソードについて考えた時に、鳥が好きだったとか、憐れに思ったから買い取り、逃がしたとか色々な理由を考えるかもしれない。
 私は、レオナルドは深い愛情を持つ人物であったと同時に「自由」というものを渇望していたと考える。籠の中の鳥を自分と重ね合わせ、自由ではないと感じ逃したと。
  心理的に、人が何かを対象のために能動的にする時は「自分」というものを軸に考え、予想するわけだ。「自分」というものを「対象」に置き換えて。〇〇して欲しそうだなというのもそうである。   
 親切にするのに理由なんてないという人もいるが、それは意識、無意識を問わず自分の一部を対象の中に見ているからである。 聖人と言われるレベルになると「自分」というものと「対象」を完全に同一視できるために「無償の愛」というものを与えることができる。そして、宇宙=自分というものを限りなく体現できているわけである。
 レオナルドは「鳥の飛翔」というものに格段の興味を示していたわけである。他には「飛ぶ」という事象そのものに関して。これらのことから連想されるのはやはり「自由」というものである。この自由への渇望というものがいつからなのかはわからない。レオナルド自身が幼少期に体験した啓示的な神秘体験として、ハゲワシが空から舞い降りてきて、寝ていたレオナルドの口元を尾で何度も打ち据えたというものがあるらしいが、ここでも鳥というものが出てきているから何か関係があるのかもしれない。そして、自然や人間を深く観察することで、宇宙の神秘や「真理」を知ろうとしたことは手稿を見ても分かる。
 
 レオナルドはシオン修道会という秘密結社に属していたと言われているけど、現在では否定されているようだし真偽のほどはわからない。またプラトン・アカデミーというものに所属していたとも言われている。当時のプラトン・アカデミーで支持されていたであろう思想は自由への渇望にも繋がると考えられる。新プラトン主義とはルネサンス期のイタリアで盛んになっていたとされている。
 
 この新プラトン主義についてはあまり知らなかったので調べてみたけど、とても面白い。Wikiから引用すると「完全なる一者(ト・ヘン)から段階を経て世界が流出して生み出されたとする思想」つまり、プラトンイデア界(現象界)を超越した者がいたとするわけである。
 そして「高次で純粋な世界より、低次で物質的な混濁に満ちた世界へと流出は進み、最終的に世界が構成されたとする。」というものである。
 
 これが提唱されてたのがルネサンス期だから1400年代までの話ってことです。つまり、今の科学でやろうとしてるのは600年以上前にわかっていた多次元構造を証明しようとするものだと。
 

「脳と意識と目覚めと進化と宇宙人」
http://plus-ultra.hatenablog.com/entry/2016/01/17/080907

 この記事でも書いたけど、次元の証明に関しての情報は秘匿されていると考えられる。
 
 
これはスイスのジュネーブ、つまりCERNのある場所で撮られた映像だとされているけど、次元に関する実験はもう成功してるのかもしれない。
 
 新プラトン主義に戻るけど、プロティノスは生涯に幾度かの一者と合一し忘我の状態に達する「エクスタシス」という体験をしていると。そしてその体験を精神における「帰還」であったと。レオナルドがこの「帰還」を体験を一度でもしているまたは知っているとしたら、その状態こそが本当の「自由」であったと考えるであろう。それも自由への渇望の根拠として考えられる。
 
 
 
次に「糸巻きの聖母」について。
 
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 この絵についてはWikiでは幼子イエスが十字のかせとり棒を持っているとされていて、将来キリストが磔刑に処せられる聖十字架の暗示になっていると書かれているがそんなに浅い意味ではないと思う。
 展覧会に行った時に置いてあった本で見たのか、説明文だったかは忘れたけど、糸巻きの棒は生と死の超越のシンボル的なことが書かれていた。後で調べればいいやと思ってメモしなかったけど、検索したり調べたりしても全く出てこない。
 調べてわかったことは、最初に書いた「Beyond the visible 見えない世界を探る」を最初に持ってくるように構成した人である。その人はこの展覧会を監修するレオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館の館長であるアレッサンドロ・ヴエッツォージという人のようだ。
 彼は糸巻き棒の解釈について、古代ローマの人間の運命を紡ぐ三女神(パルカ)に通じる「人間と世界の運命を紡ぐ道具」としているようです。
 
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 私の意見は、ロレーヌ十字や総主教十字(パトリアーカル十字)と呼ばれるような「複十字」をモチーフにしているのではないかと考えます。
 第1回十字軍の指導者、ゴドフロワ・ド・ブイヨンが掲げた旗にもこの十字が書かれていました。
 ジャンヌ・ダルクの象徴や「自由」フランスの象徴、愛国心の象徴ともされているわけです。そしてゴーリストつまり、シャルル・ド・ゴールの思想のシンボルでもある。
 
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 スコットランド国立美術館の模写。もしシオン修道会の話が本当なら、聖杯はやはり血統だと思う。レオナルドは抽象的すぎるから敢えて、背景を消したんだとも考えられる。年代的にも糸巻きの聖母は最後の晩餐の後に書かれたものだし。
 
 本物の糸巻きの聖母を赤外線調査した結果で、歩行器とかが消されてるのが分かった。この記事だと、神聖さを高めるために消したとあるけど、やはり直接的すぎたから隠したんじゃないかな。
 
 展覧会は4月10日までだから興味のある人は是非見に行っては如何でしょうか。
 
 
 今日の新聞見て思ったこと。
第1回十字軍は1099年に行われたわけだ。これは簡単に言うと、イスラムVSキリスト教の聖地を争う戦いである。
そして、読売新聞の一面には「米 イスラム主導の町」と。
 
 米欧やアジアでイスラム人口が急増している。「異なる宗教」と共存の道はあるのだろうか。世界が直面する課題だ。と書かれている。七面では、アメリカの大統領選でドナルド・トランプが「イスラム教徒の入国禁止」を唱えると「イスラム嫌悪」の風潮は高まったとも書いてある。キリスト教徒の住民は「町を乗っ取られる」と思っているようだし、これはまさに扇動ではないだろうか。人間の不安を煽り、争いを生むという。
そもそも乗っ取られる以前にもともと虐殺と奴隷の上に成り立っている侵略国家なのに。
 この争いのルーツを最後まで調べてたら疲れそう。そもそも、1,000年も争って何も気付かないとかどうした。
 
 
やっぱりこいつらを造った宇宙こそ神
 
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自由について書けてないから今度書こうと思う。
読んでくれてありがとうございました。